コラム:初期勢から見た忍ボルの歴史


 最近始めた者は知らないであろう忍ボルの歴史(運営の悪行とそれに立ち向かうユーザーの記録とも言う)に興味がある者もいるかと思うので、忍ボルをリリース初日(2017年11月15日)から毎日欠かさずログインしている初期勢として、忍ボルの(闇の)歴史を記す。特にアンケート等を取ったわけでもなく、個人的に見てきた感想を思い出しながら書いているので、こんなこともあったのか程度に見てほしい。


▼石とガシャはこれでもマシになった
▼古参はコンステを知っている
▼襲撃任務の歴史
▼砦の歴史、最強の砦とは?


【石とガシャはこれでもマシになった】
 「忍ボルの運営はケチ」は有名な話であるが、実はこれでも初期に比べればだいぶマシになっている。というのも、昔のボルテージガシャは無料が5日に1度、星2の札もかなり出た。ガシャメダルの交換も、周回やステップによって確率アップも無かったので、天井が存在しなかった。イタチが初実装された時には、1枚の奥義を手に入れるのに60万円かかった、という話も聞いたことがある。他のNARUTOアプリでは定番の10連で引くと+1枚、というのも無かった。
 石も、以前よりはログインボーナス等で貰える数がだいぶ増えている。これでも増えている。誕生日の石配りも前は無かった。ユーザーに毎日ログインを促すガマミチパックも、他アプリでは当たり前だが、忍ボルではリリースから2年半が経ってようやく実装された。遅い。


【古参はコンステを知っている】
 コンドルステップ(略してコンステ)は、2018年頃に活躍した日本のトップ同盟だ。盟主を筆頭に、急襲ランキングで1度に10名以上が100位以内に名を連ねる、という偉業を達成した。あまりの強さに、とある掲示板では「コンステはチート集団ではないか」という疑惑もあがったと聞く。(実際には睡眠時間を削っての根性プレイなので、チートではない)
 「名声10がスタートライン」という名言(迷言)もある強者揃いであり、これを知っている者達の間では、「チュートリアル終わりました」と言うと、「名声が10になった」という意味になる。
 名前の由来は、イーグルジャンプという同盟の名前が格好良かったからのようだ。以降、忍ボル界にはペンギンスリップ・フェニックススライド・ユニコーンホープなど、同様の名前構成を持つ同盟が登場し、活躍した。現在のガルーダフライトも、かつての栄光にあやかるべく、同様の構成で命名された。


【襲撃任務の歴史】
<襲撃派と防衛超忍>
 リリース当初は、巻物の数で襲撃リーグを競っていた。当時は襲撃でも防衛でも、貰える巻物の数が細かく変えられていて、自分より巻物数が多い者に勝てば多く貰えるが、少ない者に勝っても1本しか貰えなかった。もちろん、負けた時は、格上相手なら大して減らないが、格下相手だと一気に減る。チーターが相手だと、格下から来られても対抗できないので、一気に持っていかれる。
 超忍帯(当時の最高ランク)になると、もう格上は存在しないので、いくら勝っても1本とか3本とかずつしか増えなくなる。当たる相手も限られるので、同じ相手に何度も当たることもある。そこで、常時ログインしている者が攻められないのでトップに立つ、ということもおこっていた。
 どんどん襲撃して超忍になる者と、防衛で稼いで超忍をキープする防衛超忍と呼ばれる者達も出てきた。防衛超忍は防衛に全てをかけているので、1つの砦を考えるのに何時間も考え抜く。当時は術の効果範囲もそれほど広くなく、罠感知や解除の術も実装されていなかったため、罠の配置が1マス違っただけで勝敗が変わることも良くある。オレも防衛超忍をしていた時は、砦を変えるのに毎回3時間はかかった。

<巻物荒稼ぎ>
 共闘襲撃が実装されると、当時は巻物が共闘でも貰えたため、2垢1組での巻物稼ぎが流行した。貰える巻物数は、部屋主との巻物差で決定され、それをメンバー全員で分け合う設定だった。そこで、巻物数の少ない者が部屋を作る→そこにもう1人が入る→2人で出発→レア砦や勝てそうな砦が出たら部屋主がタスキルで抜ける→1人でクリアして巻物総取り、という手法で荒稼ぎができる。また、マッチング相手が見つからなかった場合には必ずレア砦が出現するため、他者と被らない巻物帯まで一気に上げれば、レア砦ばかりを引いてレア忍具(当時は強力だった)を狙う、ということができた。

<砦晒し論争>
 当時、襲撃出発前の砦画面では、どのフロアに忍が居るかと決戦場のキャラしか見ることができなかった。砦の地形や設備、フロア内のどこに忍の陣が設置されているかは、実際に行ってみないとわからなかった。そこで、襲撃者がTwitterで「ここを襲撃した」と砦の襲撃動画などを載せてしまい「砦を晒された」という事件が度々起きた。楽しくプレイしていて知り合いや有名な同盟の砦に当たると、勢いでツイートしたくなるのもわかる。しかし、前述した通り、防衛で頑張ってきた者達は、砦の罠配置を常に試行錯誤し、時には同盟内で砦会議を開いて強い砦を目指してきている。襲撃派の「晒すのは自分の勝手」「晒されたらまた砦を変えればいい」という主張と、防衛派の「頑張って考えた砦を勝手に晒されるのは不快」「晒されるたびに毎回何時間もかけて変えられない」という主張で、真っ向から対立した。
 個人的には、晒されたら嫌だというのだから、わざわざ嫌がることをしなくても良いのに、と思う。「防衛なんて負けたら襲撃で取り返せばいい」と考えている者には、「防衛で勝ちたい」と何時間も罠配置で悩んでいる者の気持ちと苦労は、なかなかわからないのだろう。
 現在は、襲撃前に砦が全部見えてしまうことや、マッチング相手があまり特定の所だけに当たるということが少なくなったため、こういった論争は減った。しかし、こういった事件が度々あったので、未だに砦晒しに関しては不快感を持つ者もいると思われるので、あまりしない方が良いかもしれない。

<強行突破が嫌われがち>
 レア砦では、海外勢が強行突破をすることが多い。報酬が全部欲しいのに、勝手に強行突破されてクリアされてしまうので、ちゃんとプレイしたい日本勢は強行突破防止のために海外勢をkickするということもある。部屋主が強行突破推奨なら良いのだが、入ってきて勝手に強行突破されると困る。
 同様に、日本の忍ボル民の中には、自分の砦で強行突破されるのを嫌う、という者もいる。結論から言って、これは運営が悪い。現在、襲撃ランキングの上位に行くには、短時間でたくさん勝つことが必要であり、強行突破で時短をしようというのは仕方がない。しかし、以前の仕様では、クリア時の星の数(1〜3)によって、増減するポイント数にも変化があった。それを全て襲撃勝利なら一律15、防衛も敗北なら一律−5としてしまったので、不満が出ている。さらに急激な覚醒極奥義インフレで雑なプレイでも勝ててしまうようになったため、さらに不満が出てきている。忍ボルなので仕方ない。


【砦の歴史、最強の砦とは?】
 このゲームの初期から続く重要な要素が襲撃と防衛だ。リリース初日からずっと変わらずあるのにも関わらず、その時代時代で強いと言われる砦には大きな違いがあった。時代の流れの中で、防衛先駆者たちは議論に議論を重ね、こんなにも砦は変わってきたのだ。

<リリース初期砦>
 リリースされて間も無くは、本部が育っていなく、砦の罠や設備の配置をいじることができなかった。砦は初期状態のままだし、キャラや術も種類が少ないので、ちゃんとプレイしてレベルを上げたりしていれば強いし、強い相手には普通に負けるゲーム、という認識だった。ちなみに最強は九尾。ちゃんと育てていないとワンパンされる火力だが、奥義を撃てば倒せる。

<本部機能拡張の衝撃・罠の脅威>
 リリースから日数が経って、皆の本部レベルが上がった時、砦の本当の恐ろしさが解禁された。本部のレベルを上げていくと辿り着く「砦設備を解放」、この機能が解放された瞬間から、ただの初期配置だった砦が罠だらけの極悪な砦に様変わりした。当時の忍のステータスは、強くてもBランク。罠解除も罠感知も実装されていない。回復は回復量400程度。そんな状態で虎バサミや起爆札を受けると、かなりの致命傷だ。
 この時、敵や設備などターゲットになる物が無いと、サブキャラは何も術を使わなかった。よって、2018年3月頃には、最奥に忍の陣を配置し、道中は起爆札やトラバサミを置きまくる、という砦が流行った。柵や敵などが少なく、回復はなかなか使われず、道中の起爆札の嵐で襲撃者はどんどん爆死していった。
 この砦の大幅な強化に早く気付いたプレイヤーは急いで初期配置の砦を襲撃しまくり、急いで上のリーグまで駆け上がった。そして、リリースからコツコツと本部を工事していた多くのプレイヤーが工事日数を終え、数日のうちに初期砦ばかりだった襲撃行けば勝てる時代から、罠だらけで襲撃はなかなか勝てない時代となった。


<今でも定番の時間稼ぎ>
 メインキャラを回復担当にする者が増えたり、回復をターゲットが無くても使う仕様になると、竜巻罠での時間稼ぎが注目された。この頃、罠解除は実装されていなく、罠を解除するには通常攻撃しかなかった。罠の位置を予測して通常攻撃での解除をするか、サブキャラを押して罠を踏ませるしかなく、かなりの時間と集中力が必要だった。サブを押す対策に、設置物で引き寄せて3人まとめて飛ばしてしまう、という手法も流行った。
また、だんだんとキャラの育成が進み、術や奥義が揃ってくると、それぞれの忍に合わせた罠配置が、1マス単位で調整され、砦の作りも洗練されてきた。写真は2018年4月頃。防キャラは柵と封印で適度に敵の攻撃力を防ぎ、サブキャラからのダメージで奥義を返す。攻特化キャラは足止めをして近距離で追い詰める、という構成になっている。


<瞬身イタチ出現>
 竜巻で足止めを食らう者が続出したところで、瞬身を備えたイタチが実装された。皆を困らせたところでガシャに金を使わせようという、運営の悪どさがもうすでに始まっている。瞬身はただ前に進むだけの術だが、術での移動で着地しただけで歩かなければ、竜巻は発動しない。前に進むタイプの術が他に無かった時代では、この術の登場で砦を大改革する事態になった。
 瞬身で罠を越えてしまうイタチへの対策として、柵の前に竜巻や起爆札を置くのが流行った。柵があれば瞬身はそこで一旦止まる。そして柵を狙ってきたサブキャラが竜巻を踏んで発動し、イタチを巻き込んで飛ばすか、HPが低めのイタチを起爆札で攻撃する、という砦が流行った。
 サラダやイタチの手裏剣はこの頃から強かった。散弾型の術がゼロ距離で強烈な威力を発揮するのは、もはや伝統。
 この頃になると、忍のステータスもだいぶ上がってきて、九尾も術だけで倒せるようになってきていたと思う。忍は強くなるのに、尾獣はこの頃から全く強くならない。ワンパンされる九尾より、耐久力で時間を稼げる守鶴の方が使われ始めた。

<分散砦の出現・忍こそ主役ガチ対決4人砦>
 2018年7月頃、罠の仕様が変更され、大幅に弱体化した。また、キャラのステータスが上がってくるにつれて、罠よりも忍同士のバトルでいかに仕留めるかということが勝負を決するようになる。今でもよく使われている、竜巻による分散でサブキャラを倒してしまう、という砦も流行。また、各フロアに1人ずつ忍の陣を配置し、決戦場に辿り着くまでに必ず全員と戦うことになる4人砦が流行った。基本的には、罠や設備をうまく組み合わせて防衛キャラのHPを程よく削らせて奥義を返したり、罠で動きを封じたところに防衛キャラで止めを刺す、という構成が主流。当時の術や奥義は範囲も狭く、ヒット数も単発が多かったため、柵などで奥義を消費させて乱戦に持ち込む、ということもできた。

 他にも、陣を端っこに配置して、飛ばしたキャラを閉じ込めておいてメインキャラを孤立させる仕掛けや、瞬身の着地予測地点に起爆札を置いて、ノックバックで竜巻に乗せる仕掛け、ガマ爆弾で引き寄せてシャチホコの水で決戦場に押し込む仕掛け、など、いろいろな仕掛けが模索された。

<新設備・新術が続々と登場>
 2019年頃から、復活の陣や幻術装置など、特殊な設備が急襲報酬で配られるようになり、砦制作の幅が広がった。それ以来、幻術装置をいかに壊されないように設置するか、竜巻罠の分散に幻術装置を利用できないか、など、新しい設備が入るたびに有効な使い方が模索された。特に幻術装置は様々な使い方がされてきたように思う。今でも現役、1個と言わず全フロアに設置したい。
 また、罠解除も実装されたため、これらの新設備の役割は非常に大きかった。新設備の中には、チャクラ吸収系の設備・罠もあり、これが増えるにつれて、チャクラを消費させて無力化させる砦が増えた。そして、運営は悪どいので、「チャクラ回復が無いと襲撃で勝てない」という状況を蔓延させておいて、そこからチャクラ回復キャラをどんどん増やしていった。忍ボルは、だいたいは襲撃か防衛どちらかをつらい状態にして、ガシャを促すゲームである。「襲撃で罠がつらい→避けられる技をガシャに入れる→防衛が勝てなくなる→防衛で強い罠を入れる→罠を解除する術をガシャに入れる→解除技で発動するタイプの罠を入れる→罠を解除しないで感知する術をガシャに入れる」というように、対応策のイタチごっこが続いている。ゲームなので、イタチごっこは良いのだが、忍ボルはあからさまである。

<状態異常無効・高ステ・極奥義の殴り合い>
 2021年になり、急激に状態異常無効キャラが増えた。リンクボードや超覚醒、極奥義も実装され、高ステータスでの殴り合いが主流になっている。罠解除や罠感知も広範囲で搭載されているキャラが増えた。襲撃リーグのポイントも1週間で2000以下までリセットされるようになり、襲撃がいくら勝ててもプレイヤー同士の差はそれほど開かなくなったが、高ステに任せたボタンオートという雑な襲撃も多くなっているようだ。

<登場とともに襲撃・防衛を激震させた物>
・イタチの瞬身:罠を踏まないなんて反則級だった。
・継続ダメージの効果特大:デイダラのC4は初の継続ダメージしか効果のない奥義。状態異常解除が一般的でなかった当時、一発くらえばHP1になるまで効果が継続した。
・リンクナルトの大咆哮:竜巻での分散にお香を置いていた時代、全ての引き寄せがこれ一発で崩れ去る。
・リンの奥義:即撃ちにも対応する素早い全体無敵。決戦場の定番。
・クールタイム30秒台の奥義:当時50秒台で頑張っていた中、急に撃ちまくれる奥義登場。奥義ゲーと言われた。
・ダメージエリア設置型の術:カブトの毒沼は今でも十分イベントで活躍できるほどの火力で、当時も一瞬で敵が溶けていった。
・七代目の火影ナルトの無敵突進:雑襲撃に乱用されてしまっている。ナルトが悪いわけではない。使い方が悪い。
・幻術装置:踏まなくても発動する幻術。状態異常無効なんて少ない時代に登場。
・復活の陣:全フロアに設置したいと思った。
・チャクラ吸収:チャクラを減らして勝つ、という新たな戦法が増えた。
・通常攻撃でしか壊せない装置:リンクナルトの大咆哮対策に新たな活路。




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2021,8,16
砂隠れ 五代目風影 我愛羅(@gaara389)